脱ブラック企業!「ホワイト500」への道 目次
- インデックス
- vol.1優良企業における健康経営への取り組み
- vol.2健康経営との思い込みによる損失と対策
“「健康経営」なんて、わざわざ言われなくてもやってるけどね。”
そんな風に思われている経営者の方、結構いらっしゃると思います。
「健康」って、範囲広いですよね。
「健康」の反対は「病気」。
「病気」になりさえしなければ「健康」。
そんな風に思いがちですよね。
でも、今回、ぜひ、知っておきたい言葉があります。
それが「プレゼンティズム」。
この言葉は、最近生まれた単語と言われています。
綴りは、【presenteeism】。
意味はというと、
1. 体調が悪くても出勤すること
2. 必要以上に長い時間、職場にいること
「プレゼンティズム」とは「出勤しているにも関わらず、業務に支障のあるような健康上の問題を抱えていて、労働者として十分なパフォーマンスができない状態」を指します。
日本語で言い換えると、「疾病就業」です。
“本来は休んでくれた方がよいような状態なのに出勤していること”
とも言えます。
“今日は体調がよくないんだけど、会社のために無理をしてでも出勤して仕事をしよう!”
しんどいのに頑張って出勤してくる人は会社に貢献しようとしている偉い人。
日本の企業ではそんな風に評価してきた帰来があると思います。
でもそれが、逆に、企業にとって損失を招いているというデータが明らかになっているんです。
次以降、もう少し詳しく、「プレゼンティズム」について書いていきます。
「プレゼンティズム」を考える際、もうひとつ知っておきたい言葉があります。
それは「アブセンティズム」です。
通常、会社に勤めている人は決められた出勤日は就業時間に間に合うように出勤します。当然ですね。
でも、人間なので、いつもいつも、元気なわけではありません。
体調が悪くなって業務に耐えられないような場合は、会社に連絡をして、仕事を休むこともあると思います。
「アブセンティズム」の「absent」は欠席という意味です。
ここでいっている「absent」は、単に“欠勤する”ことを言っているのではありません。
会社に勤めている人が「常習的な遅刻や、繰り返しの欠勤、あるいは無断欠勤すること」を指しているんです。
大辞林 第三版によると「アブセンティズム【absenteeism】」とは、労働者の常習的欠勤。
そうなんです。“サボり魔”のことを言うんですね。
体調が悪いという理由があっても、欠勤をたびたび繰り返すことは生産性を落とすことにつながります。
みんなが忙しいときにやたらと無断で欠勤する人がいたら、やる気がなくなる感じです。
ここで考えてみてほしいのが、“サボり魔”と、“体調が悪いけど出勤してくる人“どちらが、会社により悪い影響を与えているのかということなんです。
次は、そのあたりのことをもう少し深堀していきたいと思います。
子どもの場合。
親や学校にいる時なら先生等、大人が、なんだか元気がないなあと思って熱を測ったら39度あって、慌てて病院に連れて行って風邪だとわかるということがあると思います。
でも、会社に勤めるような年代になれば、風邪をひくパターンはある程度自覚しているのではないでしょうか?
“ちょっと喉が痛いなぁ”とか、“なんだか関節が痛いなぁ”、で、もしかして風邪?”という感じ。
でも、そういう時に限って仕事が忙しくて、無理しても出勤して片付けなければならない仕事があったりするんですよね。「プレゼンティズム」は、そんな状態で出勤することを言うんです。
体調が悪いとパフォーマンスが上がらないことは目に見えています。
このことが数字として発表されています。
日本では、一昔前なら、体調が悪くても無理して出勤してくる人の方が、会社に貢献しているように見えました。
でも、今は違います。
自分自身の体調を管理して、調子が悪いときは休暇を取って身体も休める。
実はこれ。
こころの場合も同じことが言えるんです。
色々と悩みがあって仕事に集中できない、そんな状態の人が社内にゴロゴロいたらどうでしょうか?
そうなんです。“サボり魔”よりも、損失を与えているんですね。
では、次は、「プレゼンティズム」の状態の社員を少なくするためにはどうすればいいのか。
それについて書いていきましょう。
「プレゼンティズム」とは、まさに、“会社にいるけど仕事にならない!”そういう状態のことを言うんです。
例えば、私は昔、花粉症だったんです。
確定申告が終わると、編綴作業といって、納税者の方が提出された確定申告書を束ねて冊子にする作業が数日続くんです。
申告書にはいろんなものが着いてたんだと思います。
水道の蛇口のように鼻水が出てくしゃみも連発。
その時は、上司も見かねて“家に帰ってゆっくりした方がいいんじゃないの?”と言ってくれて、帰宅したということがありました。
これは花粉症という身体に関することでの事例でしたが、例えば、失恋した社員。
パソコンを開けたままぼんやりとどこを見ているのかうつろな目をしています。
最近は、失恋でも心療内科に行ったりする人もいるくらい心を病んでしまうことがあるそうです。
現在人は、心も身体もデリケートなんです。
出勤しているのに、十分力を発揮できていない社員を発見したら、家に帰って休むように声をかけることも大切なんですね。
“今の若いヤツは…!”なんて思ったり、言ったりしてはいけなんですね。
会社にいるけど仕事にならない状態になりにくくするために、社内ではお互いに声を掛け合い、しんどい時は休みたいと言い出しやすい社内環境を整ることも大切だと言えるでしょう。